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タン教育機関が行ったラーニングインザワールドプログラムの規則の変更

今年度のラーニングインザワールド(Learning in the World=LITW)にいくつかの方針の変更があった。学外での舞台上演はLITWとは別のパフォーミング・イン・ザ・ワールド(Performing in the World=PITW)に分類されることにより、生徒たちは両方のプログラムに参加できるようになった。LITWの責任者でスペイン語教師のカルメン・ムノス・フェルナンデス先生(Carmen Muñoz-Fernández)は、

「5年前にこのプログラムを始めた時、私たちの目標はすべての生徒が、アンドーバーにいる間にこのプログラムを受けられるようにすることでした。そうすればすべての生徒が自分の殻を破って、21世紀の技術に触れ、体験できるだろうと考えたからです。しかし私たちは5年前の決まりで生徒にたった1つだけの機会しか与えなかったので、この目標を守れませんでした。」

と語った。先生によるとこの1回限定の方針には限界があり、そのせいでこのプログラムは時には先送りとなった。プログラムから帰った生徒はまた参加したいと強く希望していた。先生は、

「その熱意や興味を断らなければいけないのは辛かったです。そして私たちは、プログラムのリーダーの準備は整っていたことに気がつきました。もし私たちが違う方法を取っていたら?もしプログラムから帰った時に、生徒やリーダーたちが望むことを聞いていたら?と思いました。」

と語りました。これまでは、全額免除の奨学生は彼らが選んだプログラム1回分の費用を負担していた。しかし方針の変更を受けて、奨学生は9000ドルの資金が与えられた。去年まではこの財政力は無かった。

「全額免除の奨学生はより高価なプログラムに参加することも、もっとたくさんのプログラムに参加することもできるようになります。予算に余裕があったので9000ドルという数字になりました。」

とムノス先生は語った。PITWとLITWは別のプログラムに分類されている。そしてPITWは学生のLITW資金枠にはカウントされない。これはPITW(の参加費用)が9000ドルのLITW資金枠に影響しないという意味である。

「参加者は(LITWとPITWのそれぞれの部門で)別々に、同じ審査を受けます。PITWでは、上演するための技術や能力が非常に優れた者が選ばれます。LITWでは、チームに貢献できる者が選ばれます。」

12年生のジェニー・ロード(Jenni Lord)さんは参加前にはなかったほどアンドーバーの友人と親しくなり、言葉の壁を乗り越えて他国の人々と人間関係を築くことができて、LITWの経験はとても有意義だったとした。ロードさんは

「私は2017年の夏にマリポサ財団のプログラムでドミニカ共和国に行きました。今回新しい方針が決まったので私はもう一度行けることになりました。この春、私はドミニカ共和国に再訪したいと思っています。複数回参加可能の方針と、資金援助なしではできないことだったので、とても嬉しいです。」

と語った。LITWチームはパートナーシップ責任者のエリック・ローランド(Eric Roland)先生と、タン(Tang)研究機関の責任者のアンディ・フーショー先生と、ムノス・フェルナンデス先生から成っている。

ムノス先生によるとチームはデータの調査、予算の検討、聞き取り調査に数ヶ月を費やした。チームでは過去4、5年のデータを再調査して費用、参加率、学生のレビューなどを使ってプログラムについて検討した。ムノス先生は

「生徒たちはたくさんのプログラムに参加したいと思い、心配したり悩んだりして私のオフィスに来るのですが、そんな学生との会話は辛いこともありました。私は学生たちに、(プログラムは)学期や年度の中で1つしか選べないと伝えなければなりませんでした。私は学生たちの意見を聞くことこそが重要だと考えました。辛かったとはいえ、生徒たちと対話ができたことに本当に感謝しています。これらの対話が多くの判断の決め手となり、プログラムの改善に大変役に立ったからです。」

と語った。LITWチームはその後方針変更の提案を校内の全ての旅行計画を監督する旅行資金監視委員会(Travel Funding Oversight Committee)に発表した。最終段階はジョン・パルフリー校長を含む全ての理事から構成される学術協議会(Senior Academic Council)との提案共有だった。プログラムは拡大し続けた。PITWを通してフィデリオソサエティ(The Fidelio Society)、アカデミーコーラス(Academy Chorus)、室内楽団(Chamber Orchestra)は春休みにポルトガル旅行に行く予定だ。加えて、ロバート・S・ピボディ考古学研究所考古学部長/主事のライアン・ウィーラーは今夏、生徒を中国に連れて行き、中国考古学、文化を学ぶ予定だ。昨夏のヤチャナ・エクアドル旅行に参加したエイデン・バート(Aidan Burt) (10年生)を含め参加生徒はLITWプログラムによる甚大な影響と学習機会を称賛した。バートによると旅行は3週間で、慰安、食事、生活空間に関して偏見のない心を必要としたという。

「私たちはアマゾンの子供達のために遊び場を作るのを手伝いました。子供たちは今あるもので十分満足しているのをみて幸せは道具からくるものではないのだということを学びました。幸せは道具で測れるものではないのです。ガラパゴス、アマゾンなどこのような地域に行く機会は他にもたくさんあります。アマゾンには恐らくもう二度と行く機会はないと思います。私たちのような子供達にこのような機会を与えてくれることは素晴らしいと思います。私たちはただの高校生ですが、既に多くの場所に行く機会を与えられています。」

新しい制度の実行により、チオマ・ウグウォナリ(Chioma Ugwonali)(11年生)は世界を旅する機会を再び得たことを感謝している。昨夏ウグウォナリはINESLEマドリード旅行に参加し、今春ドミニカ共和国旅行に参加する予定だ。

「フィリップスアカデミーに通うということだけでも私にとっては莫大な機会ですが、この学校を卒業するまでにもう一度世界旅行に行けるということは人生において素晴らしい経験だと思います。このプログラムがより多くの人々が世界旅行に行く権利を掴むことを動機づけ、学校のプログラムの一環で世界旅行に行ける私たちがどれだけ恵まれているか知る機会につながればいいなと思っています。」

12年生のエマ・ブラウン(Emma Brown)は今夏「ビッグラブ」のキャストとしてスコットランドに行った。ブラウンによると、世界で最も古い芸術祭であるエジンバラ・フェスティバル・フリンジを見に行けたことだけでなくそこで劇を披露できたことに興奮を覚えたという。

「自分を知り、自分の周りの人を知り、世界全体を知り、世界の中にいる自分を知ることはもしかしたらとてつもなく価値のあるものだと思う。この価値はどんなことがあっても犠牲にはできないです。」

ムニョス・フェルナンデスはLITWプログラムの重要性を強調し、生徒の参加を促している。ムニョス・フェルナンデスによると、気の合う生徒と教師が共にぬるま湯から抜け出すことはとても重要だという。

 

「人生を客観的に見えるということ。私たちは皆21世紀を生き抜くために共感、謙遜、尊敬、他文化の理解など、何かしらの能力が必要です。 私たちはLITWが与える機会によって生徒が新しいことに挑戦し、このようなコア能力を強化することを願っています。これは校内では提供できないがどこかで経験しなくてはならない素晴らしい経験になるでしょう。」

ムニョス・フェルナンデスは旅行の前後で地球市民権とグローバル教育要素を取り入れ、能力の向上をし、文化を学び、経験を学ぶことでLITWの拡大を試んでいる。

最終的にはもう一つの目的がある。ムニョス=フェルナンデスは

「生徒がこのような旅行の機会を得ることで変わり、新しく得た能力と刺激で大人の階段をのぼるのを見ることは私の大きな夢です。」

と語った。