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「自分のためではなく人のために」:ノンシビウィークエンドの期間中、学生が参加した様々なボランティアプログラムの経験談

先週の金曜日から日曜日までのノンシビ・ウイークエンド(Non-Sibi Weekend=週末奉仕活動)の期間中、アンドーバーの生徒達は65の社会貢献活動に参加しました。社会貢献室の代表のモニカ・クエトポッツさん(Ms.Monique Cueto-Potts)は「9年生は子育て支援について、10年生は環境について、11年生は飢餓について、12年生は住宅についてと、学年ごとに違う問題を扱う活動に参加しました。この4つは社会貢献室が年間の活動を通して取り組んでいる社会問題と社会的ニーズです。ノンシビ・ウイークエンドで得られる事のひとつは学校の外の世界を知ることです。私達の活躍提携先は、生徒達が知るべき重要な問題について、いろいろな方法で日々取り組んでいます。ノンシビ・ウイークエンドはたった数日ですが、社会貢献室は年間を通して同じような活動の情報を提供しています。説明会から反省会まで含め毎週活動しているプログラムが30以上あるのは、8スクールアソシエーション(チョート・ローズマリーホール、ディアフィールド、ホッチキス、ローレンスビル、ノースフィールドマウントハーモン、エグゼター、セントポール、アンドーバーの8校からなるアメリカ北東部の私立高校協会)の中でもアンドーバー以外にはありません。生徒達にはこの週末だけ考えてもらえればいい、とすれば簡単ですが、現実は違います。予算があり、ここで毎日働くスタッフがいて、何十年も何十年にもわたって築いた活動提携先との協力関係があります。よくある週末だけの活動と判断されるのは大きな間違いです。この週末のただ一度だけではなく、年間を通して毎週の活動することの意義を知り、また我が校には他校にない多くの知識と経験があることを改めて自覚しましょう」と語りました。

 

12年生のデイビッド・オナバンジョーさん(David Onabanjo)は「フェイス・オブ・ホームレス=ホームレスの局面(Faces of Homelessness)」というホームレスにまつわる偏見や、保護施設の大変さや、何がホームレスを作り出すのかについて考えるプロジェクトに参加しました。そこでは2人の講師が保護施設での経験を語ってくれました。オナバンジョーさんは「ホームレスや保護施設にまつわる政策を変えるためには、まず最初に彼らが何を必要としているのかに耳を傾けることです。テレビなどのメディアでしか知ることのなかったホームレスの人たちの体験をじっくりと聞くことができたのは良かったです。」と語りました。

 

9年生のメーガン・ツイさん(Megan Cui)は、マサチューセッツ州テュークスベリーにある乗馬療法センターの「ストロングウォーターファーム(Strongwater Farm)」でのプロジェクトに参加しました。ツイさんは「乗馬療法の方法や、乗馬がうつ病や精神的に問題のある人々にどのように役立っているかについて学びました。奉仕活動はとても大切です。それは私たちの人生の一部であり、ノンシビ・ウィークエンドにとどまらず、毎日毎日生きている限り続ける必要があると私たちに一生懸命教えてくれるこの学校は、本当に素晴らしいと思います。」と語りました。

 

10年生のメラニー・チュンさん(Melanie Cheung)は、「アンドーバートレイルズ(Andover

Trails)という歩道整備のプロジェクトに参加しました。生徒達は木のチップを敷き詰めて地域の歩道を整備する手伝いをしました。作業が少し早く終わったので、私たちはその歩道を歩いてみました。作業を手伝えた上にアンドーバーの歩道について知ることができて本当に嬉しかったです。」と語りました。

 

同じく10年生のハリソン・ウィルソンさん(Harrison Wilson)も「アンドーバートレイルズ」のプロジェクトに参加しました。ウィルソンさんは「この週末から活動が広まっていけばとても面白いプロジェクトになると思います。1学期に1度このようなプロジェクトに参加できれば、その日は素晴らしい校外授業になると思います。」と語りました。

 

11年生のランス・フリーマンさん(Lance Freiman)とホッシー二・スラージ(Hosshini Suraj)さんは、「ライズ・アゲインスト・ハンガー=飢餓に立ち向かう(Rise Against

Hunger)という団体の支援用食料のパック詰めのイベントに参加しました。フリーマンさんによると、大勢の生徒達が流れ作業で約1時間かけて食料をパック詰めしたそうです。クエトポッツさんによると、生徒達がパック詰めしたのは全部で16,416食にのぼるそうです。スラージさんは「このイベントで一番に得たことは、世界の飢餓問題は遠い国の問題ではなくアメリカの問題である、と認識したことです。飢餓問題は思いもかけない場所で起こり、数値化するのも難しく、取り組むのはとても困難です。私たちには短期的な解決策で長期的な効果をもたらす方法を見つける努力と、私たちが直面するすべての社会問題を解決する新しい方法を見つける努力が必要だと思います。」と語りました。

 

クエトポッツさんによると、社会貢献室ではノンシビ・ウイークエンドを終えた生徒達が、たった1日で世界を変えたと思わないで欲しいと願っています。そして社会的ニーズを引き起こしているものについて考え、社会的ニーズを満たすために組織が何をしているかについて認識して欲しいと願っています。

 

スペイン語と社会貢献室の教師であるマーク・カトラー先生 (Mr.Mark Cutler)は「活動提携先は助けを必要としている訳ではないことをアンドーバーのコミュニティが認識することが重要です。提携先から『私達はあなた達がどうしても必要なわけではありません。でもあなた達がここにいてくれる事、連体感を示してくれる事、協力しようとしてくれる事が、素晴らしいのです。私達はあなた達を必要としている訳ではありません。なぜかというとこれは継続的な活動なので。しかし、私達はあなた達がここにいてくれる事に感謝し、ここにいてくれることを願っています。大事な事は、あなた達は私達を助けるためにここいる訳ではなく、むしろ抑圧からの人々の解放やこの社会でよく起こる複雑な問題について私達と一緒に活動するためにいるのです。それが本当に必要な事なので

す』と言われました。昨夜、寮のミーティングで一人の生徒が『活動に参加したことで良い事をしたと満足するだけでなく、私たちがそれぞれ行った活動をもっと広い視野で見ることが大事だと思います。』とフィードバックしてくれました。」と語りました。

 

クエトポッツさんによると、ノンシビ・ウィークエンドは1年前から計画が始まります。社会貢献室ではコンピューター技術室と登録の方法を話し合い、パブリックセイフティー(Phillips Academy Public

Safety=保安部門)と駐車スペースについて確認し、食事を必要数や食事制限や食物アレルギーに配慮して注文します。そしてすべてのグループに必要な備品が入った袋を準備します。

ノンシビ・ウイークエンドの後、どのプロジェクトがうまくいったか、どのプロジェクトが来年のノンシビウィークエンドは活動しないか、社会貢献室では今年の活動提携先すべてに連絡を取りました。私達は今年度末までに申し込んだ全員が参加できる様、そして全ての提携先の活動が行える様に計画します。そして秋に改めて提携先に活動できるか確認した後、交通機関を手配し、グループの人数を調整し、他にやることはあるか、夏を越して何か変わった事はないか、私達を受け入れられなくなっていないか、活動提携先とは連絡を取り続けます。」と語りました。

 

2019年にはノンシビ・ウィークエンドはイースター、パスオーバー、グッドフライデー(キリスト教、ユダヤ教の祝祭日)の週末に当たります。よってノンシビ・ウィークエンドは木曜日に行われます。

 

クエトポッツさんは「ちょうど今、ノンシビ・ウィークエンドの土曜日に3つ、金曜日に62のプロジェクトが進行中です。私達は1400人参加者のニーズと、活動提携先のニーズを満たしているかを確かめながら、声をかけ続けています。」と語りました。